ヤンデレベル

ヤンデレとは?

 最近、萌えの一つのトレンドとなったヤンデレ、「病み」と「デレ」の併合した言葉であり、広義には、精神的に病んだ状態にありつつ、愛情を表現する様子のことを指します。つまり、心が病んでも自分のことを愛してもらう属性です。
 どっちかというとストーリー(主人公の浮気やヘタレな行動によって、疑心暗鬼になるケース)からヤンデレになるのが一般的ですが、元々そういう気質(主人公に会う前からメンヘラ)なケースになっている傾向と言えます。
 
 ところでこのヤンデレ選択肢を一つ間違えば、凶悪犯罪者にもなるわけで、一般社会にとっては犯罪予備軍というレッテルを貼られます。(あくまで妄想世界ですよ)
 そこで、もし現実にヤンデレ娘の凶悪さを計測すると、どれほどのものなのか? そこで私は調べてまいりました。*1

 

凶悪犯罪の物差し

 ヤンデレの巨悪さを図るための物差しとして、コロンビア大学の法精神科医のマイケル・ストーン博士が凶悪事件を評定した、“The scale of evil”、いわゆる凶悪度を使いたいと思います。

 凶悪度はカテゴリー1から22まで分けられています。
 カテゴリー1は自衛手段でしかたなしに殺したレベルから始まります。
 カテゴリー11からは精神病を患った殺人者、カテゴリー17からレイプを主な動機とした殺人者がランキング入りします。
 カテゴリー22では性的な殺人を目的としたサイコパスな殺人者が最高レベルとされています。*2

The scale of evil (凶悪度)

 “The scale of evil”のカテゴリーと評価基準をウィキペディアから持ってきましたので掲載します。なお、英語版のものでしたので、語訳がおかしい点がありますので、ご了承してください。*3

The scale of evil (凶悪度)

01 自衛で殺して、精神病の傾向を示さない人

 Those who kill in self-defense and do not show psychopathic tendencies

02 自己中心的であり、未熟であるけれども、精神病質でない嫉妬深い恋人たち

 Jealous lovers who, though egocentric or immature, are not psychopathic

03  殺人者の望んでいる仲間: おそらく、 反社会的な特徴で衝動に支配されていている常軌をはずしている個性

 Willing companions of killers: aberrant personality ? probably impulse-ridden, with antisocial traits

04 自己防衛のために殺すが、(殺人者は)犠牲者に向かって非常に挑発的である。

 Kill in self-defense, but had been extremely provocative towards the victim

05 トラウマを受けて破滅した人々は、虐待的な親類と他(クスリ常習者を支持するのに類似している者)を殺しているが、彼らは著しく自我を欠けていた。本当に深く後悔している。

 Traumatized, desperate people who kill abusive relatives and others (like to support a drug habit) but lack significant traits. Genuinely remorseful.

06 まだ著しい精神病の特徴のない、激しく短気な殺人者

 Impetuous, hotheaded murderers, yet without marked psychopathic features

07 非常にナルシズム的であり、明らかな精神病質ではない者ではないが、精神病の心根を持ったヒトがそれら(基本的な動機は嫉妬) に近い人々を殺す。

 Highly narcissistic, not distinctly psychopathic people with a psychotic core who kill people close to them (jealousy an underlying motive)

08 怒り頂点に達した場合に殺す、くすぶる怒りを持った非精神病質の人々

 Non psychopathic people with smoldering rage who kill when rage is ignited

09 精神病特徴をもった嫉妬深い恋人
 Jealous lovers with psychopathic features

10  殺人者達は「方法」を隠蔽し、またはその関係者を殺す、例えば、目撃者。(自己中心的ではあるが、明瞭な精神病質ではない)

 Killers of people who were "in the way" or who killed, for example, witnesses (egocentric but not distinctly psychopathic)

11 精神病質の殺人者「方法」

 Psychopathic killers of people "in the way"

12  「追い詰められた」ときに殺し、権力に飢える精神病質者

 Power-hungry psychopaths who killed when they were "cornered"

13  「キレる」 不満で怒りに満たされた特徴のある殺人者たち

 Killers with inadequate, rage-filled personalities who "snapped"

14 無慈悲に自己中心的な精神病の策士

 Ruthlessly self-centered psychopathic schemers

15 精神病的な「冷血」なバカ騒ぎ、多重殺人

 Psychopathic "cold-blooded" spree or multiple murders

16 複数の冷酷的な行為を遂行する精神病質者

 Psychopaths committing multiple vicious acts

17 性的に倒錯した連続殺人犯≪シリアルキラー≫、拷問殺人者( レイプは男性の中では、証拠を隠す殺人がある第一の動機です; 系統的な拷問は主要な要素ではありません)

 Sexually perverse serial murderers, torture-murderers (among the males, rape is the primary motive with murder to hide the evidence; Systematic torture is not a primary factor)

18 主な動機が拷問の殺人者

 Torture-murderers with murder the primary motive

19 脅迫、征服、威嚇、及び、レイプ(殺人を除く)に駆り立てられた精神病質者

 Psychopaths driven to terrorism, subjugation, intimidation and rape, (short of murder)

20 精神病の個性以外に、拷問が主要な動機としてにある拷問殺人者

 Torture murderers with torture as the primary motive but in psychotic personalities

21 極めて拷問に心を奪われているが、殺人に犯したことを認知していない精神病質者

 Psychopaths preoccupied with torture in the extreme, but not known to have committed murder

22 精神病質のある拷問殺人者、拷問が性的な殺人の主な原動力

 Psychopathic torture-murderers, with torture their primary motive, sexual homicide

ヤンデレの最高峰はどれか?

 ランク付けをする前に、ヤンデレの最高レベルを考えたいと思います。

 ヤンデレをストーリーから考えてみれば、02(嫉妬深い恋人たち) 09(精神病特徴をもった嫉妬深い恋人)となります。主人公の浮気で平手打ちをかます嫉妬型ヤンデレ、と、主人公の軽率な行動によって、うつ状態へと陥ったヒロインが、主人公、または他のキャラクターを傷つける、うつ型ヤンデレです。
 キャラクター基準で考えてみると、06 (激しく短気) 08(怒り頂点に達した場合にすぐ殺す) 13 (不満でキレて殺す)というのも当てはまります。短気型ヤンデレ、キレる型(DQN)ヤンデレというあたりです。
 特に、13の不満というのは心理学でいうところのマニア『恋人から関心と愛情を得たく、独占的な愛を求める』だと言えます。自分を愛してくれないと思い込み、不満で怒りを満たされ凶行へと走る、といったパターンとなります。(マニア型ヤンデレ)

 次に、シリアルキラーの話です。主人公を守るために追われている組織の人間を殺すといったヒロインがいるとします。度重なる戦闘で心が病むが、戦う手段のない主人公はヒロインと身体を重ねていく、という展開です。
 これに組織を潰すために、抱いてやったという設定を加えれば、かなりの知能犯です。それにも関わらず、主人公を愛するために戦い、同じ人間を殺して自分の心が病んでいく、まさにシリアルキラーヤンデレ。これもヤンデレの一つと考えられます。

 では、拷問はどうでしょうか? 倒錯した性を満たすために、ヒロインがいじめるケースです。SMの文化は昔からあり、自分が持つ倒錯した性を誰かに傷つけたり、傷つけられることで満たされます。傷つけることも愛だというのでSMヤンデレだと考えられます。
 ところが、この拷問には一つ大きな問題があります。シリアルキラーが拷問をするわけです。
 シリアルキラーにとって拷問は殺す過程を楽しむものです。性的嗜好を満たすがためにいたぶり殺すため、愛とはいいがたいものです。
 じわじわと殺されることが愛情表現だと思いながら殺される。殺される側はかなりハッピーな頭をしています。ある儀式を通して殺されれば、神に近づくといった宗教に通じるものがあります。まさにトーチャー(拷問)型ヤンデレです。
 これはヤンデレじゃないという方もいますが、一部ではこういうのを好きな方もいるので、違うとは言い切れません。(自分の好きなキャラクターから「死んで」と言われたら、死にますか? という問いに、本気で死ねる方がいそうですので)ここまで来たらヤンデレのボーダーラインはユーザーのさじ加減一つになりそうです。

 ちなみに拷問関係の犯罪は男性が多く、女性はあまりしていません。しかし、拷問を趣味とした男性に恋をし、それに加担したケースもあり、女性も拷問をしないとは言い切れません。(ちなみに、その方は17とランク付けされました)

 ここまで考察した結果、ヤンデレの最高峰はカテゴリー19の、脅迫、征服、威嚇、及び、レイプ(殺人を除く)に駆り立てられた精神病質者、というところです。シリアルキラーヤンデレが、一番の凶悪度があるヤンデレとなります。

The scale of yandele ヤンデレのスケール

 病的なまでに一人の人間を愛し続けることを念頭にし、色々とまとめた結果、ヤンデレの凶悪度はこうなります。

 01 嫉妬型ヤンデレ
(例:浮気しているのではないかという主人公の優柔不断さからなる嫉妬)
 02 短気型ヤンデレ
(例:元々の性格が短気であり、主人公のヘタレな行動でいつもいらつく)
 03 キレる型(DQN)ヤンデレ
(例:度重なる主人公のヘタレな行動にキレて、ついに凶行へと走ってしまったケース)
 04 うつ型ヤンデレ(メンヘラヤンデレ)
(例:幼少時に受けたトラウマによって心が病んでいて、疑心暗鬼になっている)
 05 マニア型ヤンデレ
(例:独占的に愛したいがために、周りにいる女のコを傷つけるケース)
 06 シリアルキラーヤンデレ
(例:主人公から愛されるために、殺人にまで手を染める)
 07 トーチャー型ヤンデレ
(例:主人公が、傷つける私を愛し続けるために、主人公に対して拷問に近い行為をする)

 やっぱり、愛が凶悪度を誘因する材料だと言えそうです。逆にこの表は歪曲した愛がなす行為を愛情だと受け入れるレベルとも言えます。トーチャー型ヤンデレを求めるヒトはある意味、どんな職場でも働けるぐらいの忍耐力があります。
 こう考えると、鬼嫁や猟奇的な彼女もしょぼいなと思うのは私だけでしょうか? おっと、凶悪事件のデータを漁っていたので少し毒気が入ったようですので、今日はここまでとさせていただきます。
*4

*1:なお、私は精神医学に関わる仕事をしていません。また、精神病患者を陥れることは書いておりません。あくまでネタとしてみてください。お願いします

*2:ここでいう凶悪度は、殺人者が殺すターゲットが身内か? 恋愛関係があるか? 元々そのヒトの個性か? 精神病気質『うつ病など』なのか? キレやすいか? 一人なのか大勢を狙ったものなのか? レイプを目的とした殺人か? 殺人者はそれを楽しんでいるのか? と考えるとわかりやすいです

*3:日本語訳がしっくりとしないところは色を灰色に変えています。なので、コメントで指摘してもらえると助かります。

*4:ちなみに、SM型ヤンデレは05と06あたりです。マニアに似ていますので対象外とさせていただきました